労災と障害年金

「労働災害」って皆さんご存知ですか?

一般的に「労災」と言われているもので、労災とは、労働者が業務中、負病(怪我)、疾病(病気)、障害、死病する災害のことを言います。広義には、業務中のみならず、通勤中の災害も含みます。

最近では働く人の間でこの「労働災害」に対する意識が低くなっているという指摘があります。

また、逆に労災に対する知識をもった人の中には何でも労災にしようとする人もたまに見受けられますので、個人はもとより、雇う側である経営者の方も知識をきちんともっておく必要があります。

この「労災」認定されると、その障害により生じた労働損失(労働能力の低下)分を労災保険の障害補償給付で救済されます。

この労災申請は個人でも申請自体はできますが、労働保険自体は会社の義務なので、その後のトラブルを防ぐためにも会社側が把握して会社側で手続きを進めましょう。そうする事で会社にとっても有効的なトラブル回避の一つになります。

また、労災認定を受け、しばらく休職し復帰する際、労使間でトラブルになることも少なくありません。

まず、障害が残存している場合、両者の合意で賃金を下げる事や配置転換する事は問題はありません。合意が得られない場合でもある程度の合理性がある賃金の切り下げや就業規則に基づく配置転換は問題ありません。

障害がない場合は元々の労働条件で雇用する等、原復帰させるのが原則です。

変更の場合は労働者の合意を得るか、合理的な理由の裏付けに基づく処分や命令をすることが必要となってきます。これがないと民事的に争われた場合、会社側の処分が無効となりうるからです。このことに有効なのは、やはり、それらの事柄を事前に盛り込んだ就業規則の作成が大切です。今一度、就業規則にそれらの事を記載されているかチェックしてみましょう。

「労災」は言葉自体は一度は聞いた事がある言葉だと思いますが、「障害年金」は聞いた事ありますか?

「年金」と聞くと、「老後に国からもらえるお金」と思う方が大半でしょう。この、「老後に国からもらえるお金」を老齢年金といいます。

またもう一つ、「一定の障害状態になったら受け取れる年金」これが「障害年金」といいます。

この「障害年金」は「一定の障害状態」になれば受け取れるので、年齢は関係ありません。要件をみたせば誰もが受け取れるものです。

この「障害年金」の存在、知らない方がたくさんいらっしゃいます。先にも述べた様に年齢は関係ありませんので、現在働いている方も「一定の障害状態」になった場合に、申請して障害認定されれば受け取れます。ただし、これも、自ら申請しないと受け取る事ができないので注意しましょう。

また、障害年金は、確かに“障害者”に対して支給される年金ですが、多くの人が、この“障害者”という言葉の意味を非常に狭く限定解釈しているようです。
例えば、慢性腎不全、肝硬変、ガン、糖尿病、心筋梗塞、気管支喘息、関節リウマチ、うつ病といった病気でも“障害者”として障害年金がもらえる場合がある、ということは意外に知られていません。
障害年金制度における“障害者”とは、何も手足や五感が不自由な人だけを指すのではなく、ある病気を原因として「労働(働くこと)が制限される人」、又は「日常生活が制限される人」を広く指している、ということをまず認識して下さい。

ここで、一つ気になる事がありますね。

もし、「障害年金」の支給事由になった傷病が「労災」によるものだったら..?

はい。併給調整されますが「障害年金」、「労災保険給付」両方受け取る事ができます。

これも、「障害年金」自体知られていない為か、知らない方が多くいます。

これらの請求、手続きは非常に専門的な事が多いのでしっかりと知識のある社労士事務所に依頼するのがベストだと思います。

心や身体が痛んでしまった時、「療養にかかるお金」も悩みの一つですね。これらの悩みを少しでも和らげるものがあれば療養に集中してまた元気に出社できます。

なにか聞きたい事、疑問に思った事、些細な事でもまずご相談ください。きっとお役に立てます!