下請中小企業自立化基盤構築事業

平成25年9月20日施行された下請中小企業振興法一部改正によって、特定下請連携事業計画の認定をうけた下請事業者を対象に、それぞれ下請事業者の経営資源を有効に活用して、新たな事業活動を行うことにより、特定親事業者以外の者との下請取引等を開始、または拡大し、特定下取引依存の状態の改善を図る取り組みです。これをするにあたり、下請中小企業の振興と経営の安定を目的としています。

まず、この支援を受ける為には、「特定下請連携事業計画」の認定を受ける事が必要となってきます。

この認定を受けると、「下請中小企業・小規模事業者自立化支援対策費補助金」(補助上限2000万円、補助率2/3)の支援を受ける事が可能になり、その他、日本政策金融公庫による低利融資制度や、中小企業信用保険法の特例を受けれたり、中小企業投資育成株式会社法の特例を受けることができます。

ただ、この認定申請の受付は10月7日となっていますので、早めの連絡をお待ちしてます。

このご時世、連鎖倒産などを防ぐ為にも対策を早めにうちましょう!!

地域別最低賃金の改定額が答申

平成25年度の地域別最低賃金改定額の調査、審議が行われ、この程答申されました。

北海道は平成25年10月18日発効予定で、734円。現状より15円の引き上げとなります。しかしながら、地域別最低賃金額が生活保護水準と逆転している問題で、11都道府県(北海道、青森、宮城、埼玉、千葉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫、広島)のうち、北海道を除く10都府県で逆転が解消される見通し。

北海道は依然、解消されず。ちなみに、今回15円引き上げで734円になることで、生活保護水準との差は7円になる。

 

人材力upをするには?

我が国最大の資源でもある人材力。この人材力をupするには労働者の意欲と能力が発揮できる条件を整えることが大切です。多様な働き方、失業なき労働移動の実現。

言葉ではわかりますが、実現となると…さて、どのことから始めればよいでしょうか?

企業の年齢構成パターンには大きく分けて二つあると言われています。「ピラミッド型」と「釣鐘型」です。

「ピラミッド型」は20代など若手のボリュームが多くベンチャー企業をはじめ、社歴が比較的浅く業績の伸びが著しい企業にみられます。

学生時代の部活動に近いノリがあり、柔軟性がありますが、10年後成長段階にはなかった問題が浮上してきます。組織が大きくなるにつれ、創業時の勢いだけでは運営が難しくなってきます。コンプライアンスや不祥事の問題が気になり始め、徐々に社内ルールや管理資料を作る様になっていき、管理資料が増えると、現場の発言力が落ち、官僚的な社員の発言力が増していきます。本当に企業に価値を生み出すのは、多少ルールを無視してでも現場で力を発揮し結果を出す事です。

一方、「釣鐘型」企業は30〜40代に年齢構成ボリュームゾーンがあり、一定の社歴をもつ企業で、制度やルールで社員の働きやすさを支えている、社会的にも存在意義を認められている企業です。この企業、10年後には40〜50代の比率が最も多くなり、この世代をどう活性化させるかが非常に大きな問題です。企業が歴史を重ねる中で、社員の働きやすさを支える制度を整えていくと、組織内には業績をあげて引っ張っていく人と、制度にぶら下がる人がでてきます、このぶら下がり社員の存在が大きな問題になってきます。

年次が上がるにつれて、社員のモチベーションは変わります。20~30代は勝った負けたでゲーム感覚で仕事を楽しむ事ができても40代になると勝ち負けの基準だけでは仕事にのめり込めなくなってきます。自分の個性を生かせて、誰かの役に立ってるといった要素がないと頑張りがきかなくなってきます。

こうした気持ちの変化に応えられないと組織の活性化は難しいでしょう。

専門性とリーダーシップ。この二つが人の成長には欠かせません。これらの要素を満たせる構造を整えることが働きがいのある会社の条件といえるでしょう。

先日もお伝えしましたが、今後の人材不足に一役かうのが女性の人材力です。

ただ、女性が働き続けやすい制度を整えるのと働きがいを高める事は別です。制度を整えることで、女性社員の定着率はよくなりますが、女性のぶら下がり社員が増えると企業としては辛い状況です。女性活用において、企業が直面している問題です。

女性活用は本人の意識や考え方の問題であると同時に、企業のダイバーシティマネジメントの問題でもあります。仕事時間や働き方に制約がある人たちに重要な仕事を任せるのはマネジメントスキルであり、現場を指揮するマネジャーの問題です。

男性の働き方も同時に変えることも大切となってきます。男女を含む組織全体の生産性を上げ、労働時間の短い中で凝縮して仕事ができる企業体質に変化していく事。これが重要であり、女性活用の問題の本質でもあり、人材力upの基礎となることでしょう。

 

 

地域雇用開発奨励金の利用について

平成25年9月30日をもって、地域雇用開発奨励金の利用可能地域が減少します。

札幌近郊において

札幌市、石狩市、当別町は同意雇用開発促進地域に指定されてましたが、平成25年9月30日で指定が終了します。

今現在、地域雇用開発奨励金をお考えの方、今すぐにご相談ください。お待ちしております。

ただし、石狩市のうち、旧厚田郡厚田村(ハローワーク札幌北管内)及び、旧浜益郡浜益村(ハローワーク滝川管内)の区域は過疎等雇用改善地域に指定されている為、地域雇用開発奨励金の利用が可能です。

「ブラック企業」電話相談

先日、お知らせしました、9月の「ブラック企業」締め出し集中監督月間が始まりました。9月1日に全国8ブロックで無料の電話相談を実施したところ、1日の電話相談に1042件もの相談が寄せられたそうです。

相談が最も多かったのは「残業未払い」でした。これを受け、労働基準関係法令違反が疑われる企業に監督指導する方針です。

この労働基準関係法令違反。9月2日の労働新聞の記事によればIT企業の8割弱でこれに違反している事が明らかになったほか、海外ツアー旅行の派遣添乗員が2ヶ月分の残業代20万円と同額の付加金を求めて労働審判を申し立て、14万円の支払いを命じる審判がくだされました。

さて、もしこの労働基準関係法令違反が疑われた場合どのようなことになっていくのでしょう。

「是正勧告」って言葉聞いた事がありますか?

労働基準監督署による立ち入り調査が行われた結果、労働基準関係法令違反の事実が発見された場合、監督官は違反事項を是正するように指導する権限があります。

その指導内容を書面にして交付されるのが、是正勧告書です。

この是正勧告書には、違反項目、是正期日が記されてあり、指定された期日までに違反項目を是正して労働基準監督署へ是正状況を報告することになります。

この「是正勧告」は「勧告」(行政指導)であり、法的強制力はありません。

しかしながら、監督官には、特別司法警察職員という職務権限をもっています。

是正勧告を受けたということは、間違いなく労働基準法等の違反があったということです。ですから、是正勧告に対して不誠実な対応や無視。あるいは虚偽の報告などすると書類送検の手続きをとられる場合もあります。

もし、是正勧告がなされた場合、的確な対応が必要となってきます。知識と経験がある専門家に頼むのが一番でしょう。数多くの是正勧告対応を弊社でも行っておりますので、ぜひご相談ください。

 

 

助成金など見直し〜労働新聞〜

民間人材ビジネス活用強化「9月2日労働新聞より」

厚生労働省は、学び直し支援、労働移動促進に向け、民間人材ビジネスの活用促進、助成金制度の見直し、教育訓練プログラムの開発など各種対策を展開する方針である。

労働移動支援助成金では支給対象企業を現在は中小企業に限っているが、新たに大企業も支給対象に加える。

今後、職業訓練や雇用に関する助成金が強化され、いままでネックだった限定された要件も拡大されるとみられます。

今後の動きが注目されます。随時、HP上やFacebook pageで情報をupさせていただきますのでcheckしてください!

政府の目指す無期雇用化

派遣労働者から無期雇用へ

政府が「派遣労働の上限3年」を一律で適用する方向で検討中のようです。

今までは、3年以上派遣を「同じ仕事」で使ってはいけないルールでしたが、3年直前に入れ替えさえすれば、ずっと働いてもらえることとなります。

さらに、今年から全ての有期雇用も上限5年とされ、それを過ぎれば無期雇用転換が義務付けられることとなりました。これにより、5年経過直前に雇い止めされる事が確実であり、実際に一部の大学では非常勤講師と大学との間で雇い止めをめぐる法廷闘争が勃発しています。

政府が、派遣労働3年→有期雇用5年→無期雇用 という流れにもっていきたいという意図がうかがえます。

その流れを促す補助として「キャリアアップ助成金の正規雇用等変換コース」が今年新しくでました。

その裏側には?

しかしながら、なんとしてでも「終身雇用」を守りたい。という政府の意図もうかがえ、その他様々な課題も浮上してきます。

派遣から無期雇用までの、ストレートコースを登っていくのならば良いのですが、なかなかそうもいきません。企業側としてはその都度その都度の雇い止めし、「数年でいなくなってしまってもかまわないような仕事」だけを選んで非正規雇用労働者にまわす様な事態も予想されます。これによって、正社員よりもノウハウをもっていたベテラン契約社員からもそうした仕事が奪われ、より低いグレードの仕事を与えられる様になるでしょう。

非正規から正規への登用はそれなりに長い期間、正規に劣らないパフォーマンスを見せた場合にみられることが多かったですが、今後はその機会も激減するのではないでしょうか。

そのため、期間ごとに雇い止めされ、表向きは労働者の流動性は活発になります。

日本の潜在成長率を高める為には、労働市場の流動性を高める必要がある。と言われてますが、表向きは確かに流動性は高まることとなります。

しかし、真の求める流動性とは、そういった流動性ではありません。

この日本に古くから根付いている「終身雇用」概念。この考えこそが日本の経済成長を妨げるシステムだということは皆さんご存知でしょう。

終身雇用を脱却して、みえてくるものとは?

終身雇用制度の横並びの処遇を廃し、組織内での序列を流動的に見直す必要があるでしょう。勤続年数ではなく役割に応じた賃金、処遇を決定するシステムへの移行が必要ではないでしょうか。

このシステム移行。「外国人雇用」の定着化にも貢献することでしょう。

日本独特の保守的な「終身雇用」制度。外国人には馴染みがなく理解できないシステム。これが原因で一般的に外国人が日本の企業に3年もたずに辞めてしまうことが多いと言われてます。

「有能な外国人労働者」「有能な派遣労働者」がどんどん働いて若いうちからバリバリ出世する姿を目のあたりにし、「終身雇用」制度に慣れきってしまった正規雇用労働者を刺激し労働者全体のスキルアップが実現し、企業の活性化が期待されることでしょう。

さらにスキルアップを目指すひとは、他に目を向けそのスキルアップに見合う企業へと流れていき、そこにまた新たな、他の企業からの人材が流れてくる事でしょう。

現代の「働く」ことの意義そろそろ根本から改革すべきです。その人の人生において「働く」とは?企業が活性化する為に必要な人材の活性化とは?

しっかりと考えて改革するときです。一緒に改革していきましょう。

政府もしっかりと最後までビジョンを明確に示し政策を取っていくべきだと思います。