人材力upをするには?

我が国最大の資源でもある人材力。この人材力をupするには労働者の意欲と能力が発揮できる条件を整えることが大切です。多様な働き方、失業なき労働移動の実現。

言葉ではわかりますが、実現となると…さて、どのことから始めればよいでしょうか?

企業の年齢構成パターンには大きく分けて二つあると言われています。「ピラミッド型」と「釣鐘型」です。

「ピラミッド型」は20代など若手のボリュームが多くベンチャー企業をはじめ、社歴が比較的浅く業績の伸びが著しい企業にみられます。

学生時代の部活動に近いノリがあり、柔軟性がありますが、10年後成長段階にはなかった問題が浮上してきます。組織が大きくなるにつれ、創業時の勢いだけでは運営が難しくなってきます。コンプライアンスや不祥事の問題が気になり始め、徐々に社内ルールや管理資料を作る様になっていき、管理資料が増えると、現場の発言力が落ち、官僚的な社員の発言力が増していきます。本当に企業に価値を生み出すのは、多少ルールを無視してでも現場で力を発揮し結果を出す事です。

一方、「釣鐘型」企業は30〜40代に年齢構成ボリュームゾーンがあり、一定の社歴をもつ企業で、制度やルールで社員の働きやすさを支えている、社会的にも存在意義を認められている企業です。この企業、10年後には40〜50代の比率が最も多くなり、この世代をどう活性化させるかが非常に大きな問題です。企業が歴史を重ねる中で、社員の働きやすさを支える制度を整えていくと、組織内には業績をあげて引っ張っていく人と、制度にぶら下がる人がでてきます、このぶら下がり社員の存在が大きな問題になってきます。

年次が上がるにつれて、社員のモチベーションは変わります。20~30代は勝った負けたでゲーム感覚で仕事を楽しむ事ができても40代になると勝ち負けの基準だけでは仕事にのめり込めなくなってきます。自分の個性を生かせて、誰かの役に立ってるといった要素がないと頑張りがきかなくなってきます。

こうした気持ちの変化に応えられないと組織の活性化は難しいでしょう。

専門性とリーダーシップ。この二つが人の成長には欠かせません。これらの要素を満たせる構造を整えることが働きがいのある会社の条件といえるでしょう。

先日もお伝えしましたが、今後の人材不足に一役かうのが女性の人材力です。

ただ、女性が働き続けやすい制度を整えるのと働きがいを高める事は別です。制度を整えることで、女性社員の定着率はよくなりますが、女性のぶら下がり社員が増えると企業としては辛い状況です。女性活用において、企業が直面している問題です。

女性活用は本人の意識や考え方の問題であると同時に、企業のダイバーシティマネジメントの問題でもあります。仕事時間や働き方に制約がある人たちに重要な仕事を任せるのはマネジメントスキルであり、現場を指揮するマネジャーの問題です。

男性の働き方も同時に変えることも大切となってきます。男女を含む組織全体の生産性を上げ、労働時間の短い中で凝縮して仕事ができる企業体質に変化していく事。これが重要であり、女性活用の問題の本質でもあり、人材力upの基礎となることでしょう。