従業員の「こころ」を育て会社を育てる!〜メンタルヘルス対策と助成金〜

最近の若者事情

入社何ヶ月経っても「未熟」な学生気分が抜けない若者が多い..と感じている経営者の方の言葉を耳にします。職場のちょっとしたことがきっかけで気分が落ち込み意欲がなくなり会社に来られなくなってしまう「未熟型うつ」または専門的には「ディスチミア親和性うつ病」といいます。

この「未熟」は個人の能力が劣っている訳ではなく、少子化やそれに伴う親の養育態様の変化により、保護的環境下で葛藤体験が少ないまま社会に出てくるため、集団への適応力が十分に発達しきっていないためだと言われています。

彼らに必要な事は様々な摩擦や葛藤を克服していける成熟した人間に育て上げたうえで、本来的な個性を発揮してもらうことです。

会社ができること

とはいえ、一人一人につきっきりで育て上げる訳にはいきません。

「マズローの欲求段階説」では、人間は生命維持や安全といった基本的で原始的な欲求が満たされない限りより高次な社会的欲求や自己表現の欲求に移行しない。

とされています。いわゆる生活環境に満足してなければその人のモチベーションがあがっていかないのです。生活する上で「満足度」が高い人は仕事で強いストレスにさらされても、その状況に前向きに対応し、困難を打開することができます。

ではその「満足度」をあげるために給与を上げ、勤務体制、裁量を改善しましょう。。。。確かにそれも一つの方法かもしれませんが、それは容易ではありません。

まず職場環境を整えて行きましょう。その人が快適に仕事に集中できる管理体制が重要です。快適に仕事ができ、その会社が自分を必要とし、大切にしてくれている実感=満足感があれば必ず、その従業員は会社の柱となってくれるでしょう。

従業員の「時間」と「健康」の管理の徹底。そして従業員を取り巻く空間の整備です。

「時間」と「健康」

精神障害や自殺といった問題が近年では大きな社会問題になっています。企業にとってもそういった問題は作業効率の低下、ひいては企業の社会的な評価の低下を招き大きなダメージとなります。また、精神障害も労災と認められ、会社には多大なダメージとなります。そこで、従業員の時間の管理を徹底することです。時間に誠実な職場つくりで中値半端な就労・過重労働の減少を心がけましょう。時間を管理することで無駄な人件費をカットできます。また、定期健康診断を活用し、従業員の健康を管理し現在の状況を把握するとともに、体調を崩し始めている従業員を初期段階で発見し、対策を練る事ができます。

心疾患や脳疾患が精神疾患と密接に関わっている事もあり心疾患、脳疾患を患い始めている人は精神疾患を患い始めている可能性が高いからです。まずは早い段階で周りが気づくことが大切です。職場内でのラインケアをしっかりとさせましょう。身体が元気だと心も元気なのです。

「働く空間整備=職場環境整備」

職場空間がその人にとって不快な要素があると次第にモチベーションが下がってくるのは言うまでもありません。職場内のクリーンな空気を常に保つためには分煙をしましょう。「受動喫煙防止対策助成金」を活用すれば、その整備にかかった1/2が助成されます。

また、小さな子供を抱えているママやパパのために、安心して働くために事業所内保育園を設置する企業もここ数年増えています。「両立支援助成金」の「事業所内保育施設設置・運営等支援助成金」を活用すればその費用の一部が助成されます。

また、もっともっとキャリアアップを目指す従業員にはその人材育成にかかった費用助成の「キャリア形成促進助成金」「キャリアアップ助成金」を活用していきましょう。

従業員間の公平性が損なわれないよう、会社として基本的なスタンスを保つことを心がければ、必ず、従業員一人一人の「満足度」がアップし、底上げになり業績もあがっていくことでしょう。

人を育て会社を育てる

以上の様にメンタルヘルスケア、時間管理、環境整備を、うまく助成金や公的機関の支援を活用して従業員の「心」の「満足度」をあげて、ひ弱な従業員を企業の柱に育てあげて企業全体の底上げが可能になり、企業業績upにつながります!

無駄をなくすことは大切ですが、諸手当の一律削減は従業員の「満足度」を下げる恐れがあるため、注意が必要です!

本来的な個性を発揮できる職場環境の提案をします!!!