児童手当一ヶ月分上乗せ

消費税引き上げに伴う家計への影響に備えて、政府がまとめる経済対策の一部が明らかになりました。児童手当の受給世帯を対象に1カ月分を1回限りで追加支給します。

支給額は年齢に応じて1人当たり1万円から1万5000円程度になる見通しです。今後、経済対策に盛り込み、12月12日に編成する5兆円規模の2013年度補正予算で上乗せ分の財源は2,000億円程度と見込まれています。

所得拡大促進税制見直し

来年度、平成26年4月から消費税税が8%に上がる事になったことは皆さんご存知だと思います。それと同時に消費税率引上げに伴う経済対策と成長力強化のための総合的な対策が必要であることから、民間投資を活性化させるための税制措置等について、通常の年度改正から切り離して前倒しで決定する事となりました。

税制改正の主な項目は、以下です。

•生産性向上設備投資促進税制の新設

•中小企業投資促進税制の拡充

•研究開発税制の拡充

•ベンチャー投資促進税制の新設

•創業促進のための登録免許税の軽減措置

•事業再編促進税制の新設

•事業再編等に係る登録免許税の軽減措置

•耐震改修促進税制の新設

•所得拡大促進税制の要件緩和

今回は所得拡大促進税制の要件緩和についてご紹介します。

現行の所得拡大促進税制は平成25年4月1日から平成28年3月31日までの期間内に開始する事業年度(個人事業主の場合は平成26年1月1日から平成28年12月31日までの各年)において、国内雇用者に対して給与等を支給し、以下の3つの要件を満たした場合、雇用者給与等支給増加額の10%の税額控除ができる制度です。

1)給与等支給額の総額が基準事業年度(平成25年4月1日以降に開始する事業年度のうち最も古い事業年度の直前の事業年度)から5%以上増加

2)給与等支給額の総額が前の事業年度以上

3)給与等支給額の平均(平均給与等支給額)が前の事業年度以上

簡単に言い換えると、新規雇用かどうかを問わずに従業員に対する給与・賞与を増やした場合に、上記の要件を満たせばその増加分の10%の税額控除が受けられる制度です。

1)については今回発表された税制改正大綱では、適用期間が2年間延長となり、5%の増加要件を以下の通り緩和されます。

平成27年4月1日前に開始する適用年度 2%以上

平成27年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する適用年度 3%以上

平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する適用年度 5%以上

なお、この改正は平成26年4月1日以後に終了する適用年度について適用されますが、既に平成25年4月1日以降開始している進行事業年度にもさかのぼって適用され、すでに決算を終えている法人については、平成26年度に税額控除を上乗せすることができます。

また、3)についても改正が行われます。

これまでは、「国内雇用者」に対する給与を対象として、平均給与等支給額を計算していましたが、改正後は、以下が見直しとなります。

平均給与等支給額の計算対象が、高齢者の退職と若年者の採用による平均給与減少といった事情を考慮するため、退職者、再雇用者、新卒採用者などを除いた継続雇用者に対する給与等に見直し。

また、「前の事業年度以上」を「前の事業年度を上回る」に変更

この判定においては雇用保険の一般被保険者に限定される事になりますが、雇用者給与等支給増加額を計算する際には雇用保険の加入の有無は関係ないので、注意が必要です。

 

これらが確定すれば、例えば、5000万円の給与を払っている企業が、2%の給与アップ(100万円の給与アップ)をすると、100万円×10%=10万円の税額控除を受ける事ができます。現行の要件では、最初から5%給与アップ(250万円)が必要だったことを考えると、利用しやすくなるといえます。

なお、今回の内容は国会を通過するまでは正式な確定事項ではありません。

詳細についてはさらに検討が進められているようですので、また新しい動きがありましたら随時お知らせいたします。

 

 

厚生労働省 特定派遣廃止、許可制へ

厚生労働省は 5日、届け出制で開業できる特定派遣事業を廃止し、全ての派遣会社を許可制の一般派遣事業に移行させる方針を固めました。

一般派遣事業の許可要件には2千万円以上の資産規模や責任者講習の受講義務などがあり、事業参入のハードルをあげて業者の質を高める狙いがあります。

労働者派遣法改正案を来年通常国会に提出。平成27年春から新制度に移行させたい考え。

派遣法で定められている特定派遣事業は本来、派遣会社に「常時雇用」されている労働者が対象ですが、雇用が比較的安定しているとの考えから規制が緩やかで、即日受理される届け出制となっています。

この「常時雇用」に法律的定義はないため、1年ごとの有期雇用を繰り返したりと実質的には雇用が不安定なのが近年問題となっています。

この特定派遣事業廃止で、すべての派遣会社は一般派遣事業の許可を取る必要がでてき、一定の事業規模が求められる他、5年ごとの更新が必要となり、業者の信用向上にもつながることが期待されます。

ちなみに….今現在では….

派遣事業には一般派遣事業と特定派遣事業の2種類があり、一般派遣事業は派遣先が決まったところで派遣会社との雇用契約が発生します。

雇用が不安定なことから、事業認可はより厳しい規制が適用される許可制です。

一方、特定派遣事業は「常時雇用」が条件で、常に派遣会社と雇用契約が継続している。規制が緩やかで事業認可は届け出制となっています。

個人でも届け出だけで開業できる特定派遣は近年、事業者が乱立。一般派遣事業数の2.7 倍にまで上っており、この不況でいわゆる「派遣切り」が問題となっており、一般派遣事業への規制が強化されたため、「一般」から「特定」への流出がおきたともいわれています。

 

出張中の労災認定?

出張中、その先で被災した時の労災認定はどうなっているのか気になりませんか?

実際に労災かどうかは労働基準監督署が判断しますが、一般的に出張中は事業主の支配下にあり、その過程全般に「業務遂行性」を認めているという。

出張の性質上ある程度私的行為が介在するということを許容しているというふうに理解すべきとの見方です。

出張先では食事や喫茶の時間、また移動中の列車内での睡眠をとっていたときに事故があった場合、宿泊先での火事や食中毒にあったという場合はいずれも仕事が怪我の原因となったという「業務起因性」が認められるといいます。

一方で出張順路を著しく外れた場所での行為であれば、「業務遂行性を失う」といいます。

一般的に出張中の移動時間や宿泊中を含めた全行程が業務の遂行とみなされます。例えば宿泊先のホテルで取引先の会合により泥酔して階段を踏み外した場合については「業務起因性」が認められる可能性があるが、これが私的な飲食により泥酔した場合やホテルへのチェックインした後に私的な行動により外出し怪我をした場合などは「業務の範囲外」とみなされるという。

このことから労使ともに、常識の範囲で。ということにはなりますが、これらのことも頭にいれながら、お互いの常識の範囲を確認し認知しておく必要があります。

出張中の業務の範囲も就業規則などに明記しておくといざというときのトラブル回避になるでしょう。

就業規則は労使間の大切な取り決まりになりますので、作成し、また、定期的に見直しが必要です。うちの会社はどうかな? と思った企業様!一度見直ししてみませんか?

今の時代の流れや、法改正にきちんとのっとった就業規則かどうかもご相談に応じます。

また、ぜひ、会社の要ともなる就業規則を一緒に作ってみませんか?