「休日」と「休暇」の違いをご存じでしょうか。
「休日」は「労働義務がない日」を言い、「休暇」は「労働義務がある日」に労働義務を免除するものである。よって、「休日」に会社が働かせれば、その分支払いが生じる。
なので、就業規則などで、夏季、年末年始等の休みを「休日」と定めるか「休暇」と定めるかで、ちょっと変わってきます。
年間所定労働日数×1日の所定労働時間÷12か月=時給単価
時給単価に割増率を乗じて割増賃金単価が決まります。
「休日」が増えると、年間所定労働日数が減り、「休暇」を増やしても年間所定労働日数に影響はでない。
例えば….
1)年間休日が120日の場合
・1日の所定労働時間 8時間
・所定労働日数 (365日‐120日)245日
・年平均月間所定労働日数 245日÷12か月=20.4日
・平均月間所定労働時間 20.4日×8時間=163.2時間
月給30万円の場合
時間単価は 30万円÷163.2時間=1,838円
2)年間休日が105日の場合
・1日の所定労働時間 8時間
・所定労働日数は (365日‐105日)260日
・年平均月間所定労働日数 260日÷12か月=21.6日
・年平均月間所定労働時間 21.6日×8時間=172.8時間
月給30万円の場合
時間単価は30万円÷172.8時間=1,736円
となる。
このことから、もし「休日出勤」した場合、時間単価から割増率を乗じて割増賃金単価が決まり、休日出勤した時間数を乗ずると休日出勤した日に会社が支払わなければならない賃金が決定します。
もし年末年始やお盆の日などを「休日」と定めれば「休暇」と定めた場合より、年間休日は増え、所定労働日数が減るので時間単価は上がるので当然割増賃金は上がります。
年間休日日数をどう定めるかということは、所定労働時間数を決定するだけでなく、人件費を決定することでもあると言えるでしょう。
単純に人件費を考えれば、休日日数を増やすよりは、休暇を増やす方が得策です。休暇をどれだけ増やしても時間単価にえいきょうが出ないからです。
休日なのか休暇なのか、まずは、就業規則で明確に定めているかどうかを確認しておきましょう。また、現在、休日扱いしているものを休暇に変更する場合は、休日日数が減り、労働者から見れば不利益変更でもあるので、変更するには労働者への事前説明、同意、代替措置も考慮しておく必要もあります。